春の嵐

前回:手練手管の数

mizomizo-28.hatenablog.com

●あらすじ

冷静さ・危機管理能力を欠き、ぼけ~っとしていた私はあれよあれよという間に初対面のふわふわ男に自宅へ連れて行かれ、ソファの上で交際を迫られた。

 

もはやブログというより小説を書いている気分になっているが、全て現実である。

まじで?

いい加減にしな?とのこと

※ディープな描写が出てくるので、苦手な人は読まないことを強くおすすめします

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突然の「付き合ってください」という言葉に数分間固まる。

 

 

ぼけ~っとしていた私は、ここでようやく事の重大さを理解した。あまりの急展開に、必死に頭を回転させる。

 

「いや、今日初めて会ったばっかりだよね…?」と聞くと「会ったばかりじゃ付き合っちゃダメなの?」と男は言う。

 

「だってお互いの事なんにも知らないよね?」と聞くと「最初から知ってたら面白くないじゃん。〇〇ちゃんのこともっと知りたいから付き合いたい、それじゃダメ?」と言う。

 

ふわふわした男はふわふわした声を纏いながら、終始上目遣いでこちらをじっと見つめる。他の女もこうやって落として来たのか?あまりにあざとすぎる。やめてくれよ~も~。こういうの弱いから~~~…。

 

このタイミングで扉をこじ開けて外に飛び出せば良かったのだが、いかんせん、私はかなり流されやすいタイプ。う~ん…と渋りながらそのままソファに座っていた。

 

だが、流石に即決断できるほど関係値はできていない。

どうしようかと考えながら「やっぱり早すぎるよ。ちょっと考えるから明日返事しても良い?」と確認する。

 

ここで前回の伏線を思い出してもらいたい。

「(他にもマチアプで)明日会うよ~」という私の失言を。

 

男は言う。

「じゃあ明日会う人、断って。会って欲しくない。」

 

「断るよ」と嘘でも答えておけば良いものを「でも約束しちゃったし…」とアホ正直に答える私。(ゲームだったらここでリセットしてる)

 

言い終わる前に、男がこちらに近付いてくる。

その瞬間「ほんとはする気なかったけど…」と、ソファに押し倒された。

 

 

耳元で男が囁く。

「付き合って?」

 

「いやいや、やっぱりダメだって、早すぎるって」

何度も言うが、男の耳にはまるで届いていないようだった。わたあめみたいな見た目しといて、中身おかしない?

 

ここからはゴリ押しである。

「付き合って?」「なんで?」

「じゃあ俺のどこがダメなのか言って」

「今日は本当のことしか言ってないよ」

「俺本気だよ?だからアプリも消した」

「本気の相手にしかこんなことしない」

「相手を好きになることに理由なんてなくない?」

「あったとして、それって本当に好きだって言えるの?」

「せめて他の男に会わないで?」

「他の男にも押し倒されるでしょ?ダメだよ」

「取られたくない」

そう言いながら首元に何度もキスマークを付けてくる。

 

いやいや、私達、1時間程前に会ったばかりですよね?

 

私も私である。かなり押しに弱い。

押されに押され過ぎて完全に相手のペースに持ち込まれている。

 

ここからは怒涛の説得タイム。

「沢山会ってどうするの?比較ばっかりして、終わりなくない?」

「出会い厨のできあがりじゃん、俺にしなよ」

「友達に相談したいなら連れてきてもいいよ」

「じゃあ付き合えない理由を一つずつ整理しよ。何がダメなの?」

「好きなタイプは?それって俺じゃん」

なんかもう、ここまで言える人間ってそうそういないよな…と変に関心してしまった。

 

でもどう考えたって、会って1日で交際は早すぎる。

渋り続ける私を見かねて男がある提案をしてきた。

 

「じゃあ、今から作るパスタが美味しかったら付き合って?」

 

こんなこと言われたらウンとしか答えようがない。

う………うぅん…とモゴモゴしていると、

「YESかNOで答えて」と真剣な顔で言われてしまい、つい「YES」と答えてしまった。

 

「でも〇〇ちゃん、美味しくなくても美味しいって言ってくれそうだよね」

この男、確信犯である。

 

しばらくして、白くぽってりしたお皿に綺麗に盛られたパスタが出てきた。

たくさん生ハムが入ったカルボナーラ

オレンジ色の部屋で、白い湯気が美味しそうにふわふわと漂っている。

 

「めちゃくちゃ美味しいですね」と正直に言うと、「じゃあ今日は記念日ってことでいいよね?」と男はにこにこしながらスケジュール帳に書き込んでいた。*1

 

「俺たち結婚するね、大好きだよ」

「冗談だと思ってるでしょ?そのうち分かるよ」

「ずっと一緒にいようね」

その後はずっとこの調子である。こわいよ、まじで。なんで会って1時間の相手にそこまでのことが言えるんだ。

 

そんなこんなで、わたあめ男に押されるがまま、結局付き合うことになってしまったのである。

 

 

なんかこれ、一種のマインドコントロールでは?時間が経つにつれ、ちょっと好きになっちゃったもん。こえ~…。

 

男は「成り行きでこうなりました」の顔をしていたが、確実に全て計算通りだったんだと私は思う。部屋にオレンジ色の間接照明を光らせるのは、元より押し倒すつもりの人間しかやらんし。あまりに話の運び方が上手すぎるし。

 

ハア~。あざて~。絶対色んな人間にやってるよ。

みなさんどう思いますか?ご意見お待ちしております。

 

 

そもそも、相手がギリ良心的(?)だったから良いものの…。ガチのBAD人間だったら、食べ物に薬物を盛られていた可能性すらあるので、本当に今後はこんな事がないように気をつけないといけない。

 

みなさん、冷静さを失っている時に外を出歩くのはやめましょうね。まともな判断ができないから。

 

 

ハア~。

 

正直、付き合うタイプのヤリ目かなと思っていたけど。

翌日会った時は添い寝だけだったのと、寝言で「ずっといっしょだからね…」と呟いていたところを見ると本気なのかしらと思ってしまう。でも策略家だからなあ。う~ん。付き合い続けることにしたが、どうなることやら。

 

そろそろまともな交際がしたい、今日この頃である。

とりあえず、マッチングアプリは二度とやらないです。

 

 

 

 

*1:そして私が会うことになっていたマチアプの予定を全てその場でキャンセルさせられた。まあでも行かなくて良くなりある意味ラッキーか…